mail line scene

MAGAZINE読みもの

バルーンの需要が増加するコロナ下のアメリカ。日本の市場にも大きな期待

TOPICS

長期化する新型コロナ禍の中、世界中の企業が苦境を強いられています。とりわけ感染者最多のアメリカでは経済活動が長きに渡って停滞しており、今後の先行きも未だ不透明なままです。

しかし、そんなアメリカの情勢に逆行するようにニーズが高まっている市場もあります。それが「パーティーバルーン業界」です。今回はアメリカの実例を交えつつ、アメリカでバルーンが売れている背景に迫るとともに、日本におけるバルーン業界の可能性について解説します。

アメリカにおけるバルーン市場の現在

まずは、アメリカの事例からご紹介しましょう。

事例1. 地元ニュース「パンデミックの中、家庭用バルーンの需要が増加」

2020年5月下旬、アメリカのローカルニュース番組69 Newsにてバルーンビジネスの盛り上がりを取り上げたニュースが放映されました。インタビューに答えるショップオーナーたちは、新型コロナの影響で大きなパーティーや集会が制限されたことを受け、最初は倒産も覚悟したと言います。しかしふたを開けてみると、驚いたことに家庭からのオーダーが爆発的に増えたとのこと。

オーナーA「以前は企業や学校等の非営利団体から週12~15件程の依頼がありましたが、現在は毎週のように50~60件の新規オーダーが入る状態です。過去2ヶ月では約400件も配達しました。」

オーナーB「驚きの人気ぶりです。誰もがお祝いするためのバルーンを求めて電話してくるような状態なのです。」

新型コロナがもたらしたニューノーマルな生活が「自宅でバルーンを楽しみたい」という顧客層の拡大につながったとし、オーナーたちは現在のトレンドはこのまま定着するだろうと予測しています。※1

事例2. パーティーグッズストアParty Cityにおけるバルーンオーダーの増加

アメリカでどの程度バルーン人気が高まっているのか体感するため、アメリカ最大のパーティーグッズストアParty Cityへ足を運びました。Party Cityの中には、バルーンの大量オーダーに対応するため専用カウンターを設けている店舗もあります。通常は顧客が1人並ぶ程度ですが、この日は4~5人が専用カウンターに並んでいました。店員は休みなしでバルーンを膨らまし続けており、天井を見上げると、予約注文と見られるバルーンのセットが5組ほど浮かんでいます。

列に並んでいる女性の1人は、友人のショップオープンのお祝いに注文したバルーンを受け取りにきたのだそう。「こんなパンデミック中のお祝い事だからこそ、華やかなバルーンで盛り上げたいの。バルーンは皆をハッピーにしてくれるでしょ!」と語りました。他にも、「子供のバースデーパーティーを予定しているが友人を呼べない。代わりにバルーンをたくさん飾りたいが、どんな組み合わせがおすすめか」と相談している人もいました。

もともとアメリカは、イベントやパーティーにバルーンを飾る習慣がありますが、このパンデミックでよりその傾向が強まった感があります。住宅街では、誕生日や卒業を祝うバルーンを庭に飾る家も多く見かけました。

アメリカのバルーン市場活性化をもたらした4つの背景

パンデミックの最中にも関わらず盛り上が利を見せる、アメリカのバルーン市場。市場活性化をもたらしたアメリカユーザーの行動の変化と背景を探りました。

背景1. 家庭ベースの小規模パーティーが主流に

新型コロナの影響によって大人数の集会が制限され、アメリカのパーティーは大勢のゲストを招待するスタイルから、家族など身近なメンバーのみで行う少人数のスタイルへと移行しました。この変化は、2つの理由からバルーン市場への追い風となっています。

1つ目は、イベントが小規模になったことで、パーティーの開催数が増えた点です。例えば、毎年5組の家族が集まって1つの大きなホリデーパーティーを開催していたのが、今年は5組の家族がそれぞれ自宅でパーティーを行えば、パーティー数は5倍になります。それぞれがイベントのためのバルーンを準備すれば、それだけ需要もアップします。

2つ目は、イベントの規模が小さくなった分、ディスプレイに力を入れる人が増えた点です。子供のバースデーパーティーに友人を呼べない。けれど、我が子をがっかりさせたくない、できるだけ喜んでもらいたいという親心が、ニーズに大きな影響をもたらしています。

背景2. ソーシャルメディアへの露出アップ

以前ほど気軽に人と会えなくなった結果、Facebook、YouTube、インスタグラムといったソーシャル・ネットワークに加え、zoomやGoogle Meetといったコミュニケーションツールも急速に拡大しました。その結果、「フォト映えする画像・映像」を求める人はますます増えています。

バルーンは、背景にディスプレイするだけで、手軽にフォト映えを実現できる優秀な商材です。比較的リーズナブルなコストでゴージャスな演出が可能なうえ、好きな色・テーマでコーディネートしやすい点も強みといえるでしょう。

背景3. 「バルーンギフト・デリバリー」という新しいビジネスの展開

これまでアメリカでは、バルーンはユーザー自らがショップへ足を運び購入するスタイルが主流でした。しかし、「友人・知人のパーティーに参加できない代わりに、バルーンギフトを贈りたい」というニーズを受け、自宅まで配達するバルーンギフト・デリバリーという新しいビジネスが広がりを見せています。

オーダーを受けたショップは、商品を配送先の玄関まで運びます。そしてチャイムを鳴らしてからソーシャルディスタンスを保ち、お祝いの言葉を添えて配達を完了させます。自宅から注文するだけで、相手の自宅までハンズフリーで配達してくれるという利便性の高いサービスは、現在のトレンドにマッチした手法として注目を集めています。※2

背景4. バルーンがもたらす幸福感の再評価

新型コロナによる不安感や不便さが続くと、精神的にも疲弊してくるものです。そんな今だからこそ、積極的にバルーンを生活に取り入れて癒やし・喜びを共有しようという動きが広まっています。

現在アメリカでは、ビルの外壁や近隣の街角にバルーンを飾ることで人々の目を楽しませたり、セラピーの一環としてバルーンアートを取り入れたりといった取り組みが注目されています。老若男女全ての人を幸せな気持ちにする存在として、今その魅力が再評価されています。※3

日本のバルーン市場における今後の可能性

家族やごく限られた人数でバースデーや家族の記念日を「おうちで」お祝いするケースが急増しています。テーブルウェアやデコレーションでおうちを飾りたいニーズは今後ますます増えることでしょう。中でも特にパーティーバルーンは、イベントを手軽かつ華やかに彩る象徴的存在として高いポテンシャルを秘めています。特に今回の新型コロナが追い風となり、パーティー市場はこれまで以上に大きなビジネスチャンスに直面しています。

ここでは、日本でバルーンビジネスを展開するうえでのユーザー側のメリットと店舗側のメリットを解説します。

ユーザー側のメリット3つ

1. 手軽に「フォト映え」が実現する

ソーシャルメディアが生活に深く浸透した結果、グルメやインテリアをはじめ、幅広い業界においてフォト映えを意識した商材が台頭するようになりました。それほどに「映える」という要素は、現在そして今後のビジネスを展開するうえで注目すべきキーワードです。

だからこそ、手軽にパーティーシーンを盛れるバルーンは、まさに現代のユーザーのニーズにうってつけの商材。海外雑誌のような洗練された雰囲気を演出できるという利点もあります。

2. 幅広いニーズに対応できる柔軟性

バルーンは種類が豊富で、デザイン・カラー・サイズなど多彩なラインアップがそろう商材です。誕生日等のイベントはもちろん、結婚式などのフォーマルな場からお見舞いまで、幅広いシーンに柔軟に対応できるという強みがあります。

ギフトとして利用する場合も、相手を選ばないため、キッズから年長者までどの世代にも喜ばれます。受け取った側は管理の手間がいらないので、送り手も気軽にプレゼントできるというメリットがあります。

ニューノーマルな生活様式が定着する中でも、バースデーや記念日のお祝いは欠かすことのできない家族のイベントです。おうちを華やかにするバルーンは、”家族の絆”を強める素材として最適です。

3. 比較的低コストでボリューム感を出せる

バルーンは立体感があるため、比較的リーズナブルなコストながらボリュームあるディスプレイが実現します。人の目を引きやすく、組み合わせ次第でボリュームの調整も容易です。

プレゼントとして活用する場合も同様です。メインのギフトにバルーンを添えることでインパクトも格段にアップしますし、バルーン・アレンジメントという選択肢もあります。日本でのバルーンの知名度はアメリカほどありませんが、だからこそサプライズ感・スペシャル感も大きくなります。

店舗側のメリット3つ

1. あらゆるシーンに対応できるポテンシャルの高さ

幅広い年齢層に受け入れられているバルーンは、目的買いと衝動買いのどちらも展開できるユーティリティ商材です。加えて、祝い事のデコレーション・ディスプレイとしても、ギフト商材としても活用が可能。あらゆるシーンに対応できるポテンシャルがあり、市場は今後一層拡大していくと考えられます。

2. 低コストで+αのディスプレイ展開ができる

バルーンが持つ「映える商材」という特色は、店舗サイドにとっても大きな魅力です。さまざまなディスプレイ方法が可能なため、シーズナルな演出も容易ですし、シーンに合わせたギフト・アイディアの提案もしやすいでしょう。商材そのものが店舗のデコレーションとして機能するので、低コストで+αのディスプレイ展開ができます。

3. 他アイテムとからめたギフト商材でワンストップ・ギフトショップにも

バルーンはラッピング、パーティーアイテム、花、メッセージカードといったギフトアイテムとも相性抜群です。バルーンと組み合わせるギフトアイディアをユーザーに積極的に提案していくことで、1つのショップだけでギフト選びが完了する「ワンストップ・ギフトショップ」としての展開も可能です。

まとめ

ニューノーマルな生活が定着しつつある中、日本においても家族・身内単位で行う小さなパーティーを楽しむ機会は今後増えていくことが予想されます。特に、季節や記念日を大切にする価値観は、ますます強まることでしょう。日本のホームパーティー・バルーン市場における今後の成長が期待されています。

———————————————————————–

アムスキャン・ジャパンF&C(株)は、ホームパーティープロダクツならびにフィルムバルーン製品を用いた店舗やECの売場構築をサポート致します。詳しくお知りになりたい方は当社カスタマーサービス(TEL 03-3458-3060)または当サイトのフォームから気軽にお問い合わせください。

 

【参考・出典】

※1 <69 News> Demand for balloon displays at home going up amid pandemic

※2 <ABC Action News> WE’RE OPEN: Tampa balloon delivery business spreading happiness during social distancing

※3 <NBC DFW News 5> Local Balloon Business Adding a Pop of Joy During Pandemic

キーワード
この記事をシェア

<取材・リポート> 長谷川 サツキ

ライター・翻訳者。在米15年目。筑波大学社会学類を卒業後、渡米。現地保険エージェントにてスーパーバイザーとして勤務。その後薬剤調合師の国家資格を取得し調合師としての勤務経験を経て、ライターへ転身。現在は米国生活、海外ルポ、子育て、ビジネス等をテーマに情報を発信。幼い子供がいるためパーティーを企画する機会が多く、アメリカのパーティー文化に造詣が深い。